中堅の外資系生命保険が代理店に示した変額保険の初年度手数料の資料。最大で保険料の120%まで上がる

 複数の生命保険会社の商品を扱う乗り合い代理店をめぐり、契約獲得ごとに生保が代理店に支払う販売手数料の引き上げ競争が過熱している。自社の商品を優先して販売してほしいという意図が透けて見えるが、顧客の適切な商品選びをゆがませる恐れがある。

 金融庁は手数料や販売実態の監視を強める方針だ。

 「手数料改定・戻入規定改定について」。中堅の外資系生保は6月、こうした通知を乗り合い代理店に送った。株式や債券の運用実績によって保険金が変動する変額保険について、生保から代理店への販売手数料を9月から改定するとの内容だった。

 販売手数料は、契約者が生保に支払う保険料に手数料率をかけて計算される。この中堅外資では、1件の契約獲得に対する初年度の手数料が、従来は最大で1年間の保険料の82.2%だった。これを120%まで増やすという改定だった。例えば、保険料が月2万円の契約の場合、生保から代理店への手数料は28万8千円になる計算だ。

「とうとう100%超え」業界に驚き

 変額保険は、死亡時などの「…

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