国が2013~15年に生活保護基準を引き下げたのは生存権を保障した憲法25条に反するとして、利用者らが減額決定の取り消しを求めた裁判。
「判決次第ではこれまで経験したことのないような業務が発生する。国からの説明もないし、戦々恐々としています」
27日の最高裁判決を前に、関西地方のある自治体で生活保護を担当する職員はそう話す。
高裁レベルで原告の7勝5敗。国の敗訴がここまで続くのは異例ともいえる。原告の一人は最高裁での弁論(5月27日)の後、「勝利を信じている。人間らしい生き方ができるようにしてほしい」と最高裁の判決に期待する。
各地で同種の訴訟が起きているが、最高裁は統一判断を示すことになる。
国が敗訴した場合の対応について、厚生労働省の幹部は「最高裁がどういう判決を示すかによる」と話す。
原告は1千人だが…
国側が敗訴したこれまでの高裁判決では、減額の決定取り消しを命じている。最高裁でも同じ判断になれば、原告らに違法と認められた減額分が支払われるものとみられる。
一連の訴訟の原告は約1千人…