コロンビア・カリで開かれていた国連の生物多様性条約締約国会議(COP16)は2日夜(現地時間2日午前)、議決に必要な定足数を満たさなくなった本会議を「中断」とし、日程を終えた。国際目標の評価や資金に関わる重要議題で合意が持ち越されるという異例の結末となった。

本会議に臨むコロンビアの環境相でCOP16議長のスサナ・ムハマド氏=生物多様性条約事務局提供
  • 【解説】生物多様性はなぜ大事? 「動植物が色々」だけでない奥深さ

 会議は10月21日に開幕した。当初は11月1日に閉会予定だったが、交渉が難航する議題が続出。日程を延長し、夜を徹しての議論が続き、開始がずれ込んだ本会議は10時間を超えた。会場を離れる締約国が相次ぎ、締約国の3分の2という定足数に達しなくなった。条約事務局によると、今後改めて再開会合が開かれる見込み。

 2年前のCOP15では「生物多様性の損失を止め、反転させる」ことをめざし、2030年までの23項目の国際目標を採択。締約国はそれぞれ国家戦略を提出することになっていた。今回は、その取り組みの効果などを評価するための指標づくりも重要なテーマだった。

 準備会合などでは、23項目についてどのように評価できるか、技術的な側面から検討。数値などでは成果を示しにくい項目は、選択回答式(バイナリー)指標を取り入れる方向で整理を進めた。正式に採択し、COP17で進み具合を点検する際に各国が報告に使えることをめざしていたが、持ち越しになった。

資金項目採択できず「失望」の声明も

 主に途上国の生物多様性の保…

共有
Exit mobile version