中小企業に産業用ロボットを導入してもらおうと、静岡県が後押ししている。ものづくりの現場を働きやすくして生産の効率を上げ、人手不足の解消につなげるのがねらいだ。静岡市でこのほど、「ロボットSIer(エスアイヤー)」と呼ばれるIT企業やメーカーなどを集めた展示会があった。
地方中小企業の人手不足解消へ
静岡市駿河区の複合文化施設グランシップで8月開かれた静岡県主催の展示会「ロボット・AI・IoTフェア」。県内を中心にロボットSIerやソフトウェア会社など16社が出展し、導入をめざす中小企業などから200人が訪れた。
静岡市清水区のロボットSIer「三明機工」は、実際に製品を作る前の訓練に役立つ操作演習機を展示した。ロボットアームの映像が映し出された大きなディスプレーに、パソコン経由で人が手に持って操作する端末がケーブルでつながれていた。マウスやキーボードではなく、実際の機械と同じ端末で操作ができる。「実機で練習をすると、ものを壊したり、けがをしたりする恐れがある。監視役がいなくても自由に練習ができる」と同社の社員がアピールした。
実物のロボットアームを展示する企業もあった。静岡県沼津市の「特電」のブースでは、ロボットが小さな瓶を持ち上げ、すぐ隣で別のロボットが差し出した紙箱に入れる作業を実演した。
ロボットメーカーの「ソミッ…