(16日、第107回全国高校野球選手権大会3回戦 関東第一4―1創成館)
期待以上の内容に、関東第一の米沢貴光監督は驚きを隠さなかった。「こんな投球をするとは」。先発した石田暖瀬(はるせ)が、5回を1失点と試合をつくった。
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一回から自己最速を更新する145キロ前後の直球で押した。球威で詰まらせて三者凡退に仕留めると、ベンチに戻る時にホッと一息吐く。その後も要所を抑え、六回からはエースの坂本慎太郎にマウンドを託した。
石田は、東東京大会では背番号1だった。だが、制球が安定せず登板は2試合のみ。甲子園での背番号は10になった。「このままじゃいけない」と焦りが募った。
「何かを変えないと」と、左足を上げて静止する2段モーションを採り入れた。約2週間、自分の感覚を頼りに微修正を繰り返すと、投球時に無駄な力みがなくなった。
ただ、これで満足しているわけではない。「相手を圧倒したいし、最後まで投げられなかった」。背中の数字は変わっても、「1」を背負ったプライドは変わらない。