3日に89歳で亡くなった長嶋茂雄さんの思い出を語るとき、多くの人が笑顔になる。男性学の研究で知られる社会学者で京都大名誉教授の伊藤公雄さんは、長嶋さんは戦後日本の新たな男性像を示したという。話を聞いた。
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「ON」と並び称された長嶋茂雄さんと王貞治さんのイメージは明と暗、好対照です。
朝日新聞に連載された吉川英治「宮本武蔵」（1935～39年）の主人公は、徹底的に自己を高め心を養う、いわば「欲しがりません勝つまでは」の精神でしたが、こうした姿は、戦前・戦中以来の日本の典型的男性像でした。
「覆した声の先入観」
身を律して内面を磨く「修養…
