日本初の女子サッカープロリーグ、「WEリーグ」が存続さえ危ぶまれる状況に追い込まれている。参加クラブ側が運営責任を問う形で経営体制が刷新された。4シーズン目の開幕直後に、Jリーグと日本サッカー協会のトップが兼任する異例の形で再建をはかる。「女性活躍社会」を理念に抱えたリーグは、どこに向かうのか。(照屋健、藤野隆晃、潮智史)

シーズン別観客動員数推移

体制刷新の背景

 「リーグを存続させることが重要」

 9月末にあった新執行部の就任会見で、副理事長に就く日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は繰り返した。その言葉が現状の難しさをうかがわせている。

 チェア(理事長)に野々村芳和Jリーグチェアマンを迎え、副理事長に宮本氏を置く新体制は、まさにリーグ経営のてこ入れのためだ。

 2021年秋に創設されたWEリーグ。過去3季の1試合平均入場者数は約1400~1700人で、目標の5千人は程遠い。興行としてどう成り立たせるのかという課題は、当初からつきまとってきた。

 2代目だった高田春奈前チェアはJリーグのV・ファーレン長崎の社長を務めた経歴を持つ。リーグの経営面での立て直しも期待されていたが、うまくいかなかった。

 複数の関係者によると、今回の体制刷新は「高田チェア降ろし」が起きた末の結果だ。春先から、不満が一気に高まったという。

 背景にあったのは、JFAか…

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