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1987年に研究会が写真から復元した阿武山古墳棺内の「大織冠」=牟田口章人さん提供
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 90年前、大阪府の阿武山古墳で出土した棺に「大化改新」の際に定められた2種類の冠が副葬されていたことを、牟田口章人・帝塚山大学客員教授が明らかにした。被葬者は改新の功労者・藤原鎌足(614~669)の可能性が高いとして、19日に奈良県明日香村で開かれる講演会で発表する。

 阿武山古墳は1934年、大阪府高槻市と茨木市の市境にある京都大学阿武山観測所の地下で見つかった。石室に置かれた漆塗りの夾紵(きょうちょ)棺の中には人骨が残っており、頭部周辺には多くの金糸や玉類が確認された。

 棺は当時最新の技術だったX線装置で撮影されたが、「貴人の墓を暴くことは不敬だ」という批判が出て、本格的な調査はせずに埋め戻された。

X線写真を徹底検証

 牟田口さんは朝日放送の記者…

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