日本でも人気が高い画家フェルメールの傑作として知られる「合奏」は、米ボストンの美術館で1990年3月18日、警官を装った2人組に盗まれた13点のうちの一つだ。「美術史上最大の未解決盗難事件」ともいわれる。その後、行方不明のままの「合奏」を、大塚国際美術館(徳島県鳴門市)が陶板によって原寸大で再現し、事件から35年となった18日、常設展示を始めた。
フェルメール(1632~75)は17世紀のオランダを代表する画家。1663~66年ごろに描かれたとみられる「合奏」は、縦72.5センチ、横64.7センチ。男性がリュート、女性がチェンバロを演奏する中、もう1人の女性が楽譜を手に歌っている。フェルメールが好んだ情景とされ、「演奏をテーマにした作品の中でもとりわけ自然で、親密な雰囲気がある室内画」と高く評価されている。
原画はボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館にあったが、盗難に遭い、1千万ドル(1月下旬の為替レートで約15億5千万円)の懸賞金がかけられているという。
「陶板名画」で知られる大塚…