神奈川県警は24日、覚醒剤取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕した男が、川崎署の取調室から逃走したと発表した。約10分後に署員が近くの路上で男の身柄を確保した。男の監視を担当していた20代の男性巡査長が居眠りをしたすきに逃げたという。
巡査長は「一瞬落ちてしまい、うたた寝をしてしまった」と説明しているといい、署は「事実確認の上、再発防止につとめたい」としている。
覚醒剤取締法違反(所持)と単純逃走未遂容疑で現行犯逮捕されたのは、自称個人配送業高井康平容疑者(32)=川崎市川崎区渡田1丁目=。署によると、高井容疑者は24日午前4時53分ごろ、川崎署の南町交番(川崎区)で覚醒剤が入ったポリ袋1個を所持した疑いがある。
また同日午前9時35分ごろ、警察官のすきをみて川崎署から逃走しようとした疑いもある。いずれの容疑も認めているが、逃走した理由は確認中という。
同日午前4時半ごろ、高井容疑者は南町交番に「覚醒剤を使用しました」と自首した。警察官が同容疑者の所持品を確認した際、ズボンの右ポケットから覚醒剤入りのポリ袋が見つかったため、覚醒剤取締法違反容疑で現行犯逮捕された。
その後、川崎署の2階にある取調室で調べを受け、終わって留置手続きを待っていたが同日午前9時半ごろ、監視にあたっていた巡査長がいすに座ったまま眠っていることに気づき、部屋から逃げ出したという。当時、取調室は無施錠だった。
逃走する際に物音がしたため、巡査長は異変に気づき目を覚ましたが、高井容疑者はすでにいなくなっていたという。
約10分後、署の近くを同容疑者が走って逃げているのを署員が発見。複数の署員で追いかけ、署から約200メートル離れた同区日進町の路上で確保し、単純逃走未遂容疑で現行犯逮捕した。