給食を取る高田高校の生徒たち=2025年4月21日午後0時10分、大分県豊後高田市玉津、貞松慎二郎撮影

 手厚い子育て支援策で知られる大分県豊後高田市で21日、市内唯一の高校である県立高田高校の希望する生徒に対し、無料の給食提供が始まった。県立高への支援としては県内初の取り組み。市内の学校給食センターで調理した昼食が運ばれ、生徒らが味わった。

 全校生徒355人中、340人が申し込んだ。この日の献立は白米に鶏肉を甘辛く味付けした揚げ物、キャベツとコーンの炒め物、地元産タマネギとニンジン入りのみそ汁。中学校以来の給食となる3年生の2クラスが報道陣に公開された。

 給食にも提供される無農薬の米を父親が栽培しているという山之内空生(あうむ)さん(17)は「とてもおいしい。早起きして弁当を作ってくれていたお母さんも喜んでいる」。同校PTA会長の本田浩平さん(52)は「配膳もスムーズで生徒たちは楽しんでいる様子だった。栄養バランスがよく、温かい料理が食べられるのはありがたい」と話した。

 市は昨年度、設備改修費など約1190万円を予算計上。今年度は食材費や支援員の人件費など約2210万円の予算を組んだ。これにより、市は「0歳児から高校生までの医療費・授業料・給食の完全無料化」を実現。佐々木敏夫市長は「子どもを産みやすい環境づくりが移住・定住につながる。人口減少対策の一助になれば」と話した。

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