夢洲から
大阪・関西万博への「入り口」として開業した大阪メトロの夢洲駅には、鉄道駅では全国で初めて「カームダウン・クールダウンスペース」が設けられた。
光や音の刺激などで体調が悪くなる感覚過敏や発達障害、知的障害の人たちが気持ちを落ち着かせるための場所。壁で仕切られた空間に、2人ほど座れるソファがある。
私も出産後の体調の変化で、光や音などの刺激に弱くなり、頭痛や吐き気を起こすようになった。こうしたスペースがあると知り、「いざというときは休める」とほっとした。
感覚過敏の課題解決に取り組む「感覚過敏研究所」(東京都)の調査では、当事者の中で外出を諦めた経験がある人は81.9%。カームダウンスペースの存在が事前に知れれば「心の避難所」になり、より安心して外出できる。万博では、会場内のあちこちにもスペースが設けられている。
バリアフリー化で、駅などでは「多目的トイレ」や「授乳室」が当たり前に見られるようになった。だが、まだ広くは知られていないバリアーもある。万博は「未来社会の実験場」。よりバリアーが解かれた未来へ向かう入り口になってほしい。
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世界中の人々が集まり、連日多彩なイベントが開かれる大阪・関西万博。会場の夢洲(ゆめしま)で取材に駆け回る記者たちが、日々のできごとや感じた悲喜こもごもを伝えます。
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