兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した県の元西播磨県民局長の文書をめぐって、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が、斎藤知事ら関係者への証人尋問を8月下旬から始めます。告発された疑惑の一つに県内企業からの贈答品の受け取りがあります。文書は「知事のおねだり」と指摘していますが、斎藤知事は否定しています。そもそも知事は贈答品を受け取っていいのでしょうか。解説します。
そもそもの発端は
元県民局長が内部告発した文書には、斎藤知事や県幹部らに関する7項目の疑惑が書かれていました。そのうちの一つが「贈答品の山」という項目です。「斎藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名」とし、多くの贈答品を県内企業から受け取った疑いがあると指摘しました。
斎藤知事は6月の会見で「私から贈答品を要求した事実はない」と反論しました。文書にある「出張先での飲食は原則ゴチのタカリ体質、お土産必須」との指摘には、「現地での支払い、後日の請求書払いなどやり方は様々だが、適切に支払い、事実ではない」と否定しました。
文書にある指摘はうそなのか
全くのうそ、とも言い切れないことが判明します。文書では、斎藤知事が昨年の視察で訪れた県内の家電メーカーから、コーヒーメーカーを受け取っていたと指摘しています。知事は受け取っていませんでしたが、視察に同行した県幹部が受け取っていたことが4月にわかりました。
ワインも受け取っていた
内部告発した元県民局長は、7月上旬に死亡しました。その後、贈答品に関する音声データを残していることがわかりました。2022年11月に県西部であった斎藤知事と地元首長らとの意見交換の場で、「ワインをちょっとまだ私は飲んでいないので、ぜひまた。また折を見てよろしくお願いします」という斎藤知事の発言が録音されていました。
斎藤知事は地元の上郡町長からワイン2本を受け取って自宅で飲んだことを認め、「(県産品の)内容を知ることが産業施策として大事」などと説明しました。
上郡町長は「『おねだり』とは感じなかったが、知事が公の会議の場で発言したことは非常に重いと思う」と話し、ワインを渡したのは知事の発言に多少影響されたから、としています。
ほかには受け取っていないのか
斎藤知事が22年、丹波市の…