沖縄県議会の現在の勢力図
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 沖縄県議選が7日、告示される。玉城デニー知事を支える県政与党が過半数を獲得できるかが最大の焦点。結果は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する玉城氏の県政運営に影響する一方、全国の選挙で連敗中の政権側にとっても今後を占う選挙となる。

 県議会(定数48)は現在、立憲民主や共産、社民などの県政与党が24人、自民や公明、維新などの県政野党が24人と同数だ。採決に加わらない議長を野党から選出しているため、与党がかろうじて議会の主導権を握っている。

 辺野古移設に反対する玉城氏や前知事の翁長雄志(たけし)氏は「県民世論」を背に、移設工事をめぐって国を提訴したり、米ワシントンに県事務所を開設して日本政府を経ずに「沖縄の声」を米側に直接働きかけたりしてきた。与党が半数を下回れば、こうした政策に必要な議案が議会を通らなくなる可能性があり、「民意」の旗も色あせかねない。

 そもそも、国が昨年末に県の権限を奪う「代執行」に踏みきり、軟弱地盤がある辺野古北側の工事に着手するなど、玉城氏側には手詰まり感もある。結果は2年後の知事選にも影響しかねず、玉城氏は県政与党の候補者全員の応援に回る予定だ。知事側近は「少数与党になれば、知事の手足がもがれることになる」と危機感を募らせる。

 これに対し、政権与党である自民・公明は2008年の県議選で少数に転落し、今回16年ぶりの過半数獲得を狙う。政権と対立を深める玉城県政について「国の沖縄振興予算が減らされた」などと批判を強めてきた。

 ただ、ここにきて自民党派閥の裏金事件で逆風が強まり、全国では今年4月の三つの衆院補選で不戦敗を含め全敗。県外の地方選でも、自民が支援する候補者が相次ぎ落選している。

 影響が地方にも及んでいることに、自民県議からは「支持者から『自民党ダメだ』と言われ、連帯責任を負わされている感覚。『自民党』というだけで厳しい選挙だ」との声が漏れる。表立って沖縄入りした自民党幹部は、5日時点で小渕優子選挙対策委員長のみだ。

 投開票は16日。3月1日時点の選挙人名簿登録者数は117万6276人。(小野太郎)

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