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「事件記者、保育士になる」を出版した緒方健二さん。手につけているのは、通った短大でつくったという軍手の人形=2024年12月10日午後2時40分、東京都中央区、島崎周撮影
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 事件取材一筋の新聞記者が退職後、選んだのは保育の道だった――。63歳で短大に入学し、10代の学生たちとともに学ぶ日々を、ユーモアたっぷりにつづった本「事件記者、保育士になる」(CCCメディアハウス)が23日、出版された。初めて挑戦するピアノや裁縫などに悪戦苦闘しながらも、子どもたちが育つにあたって大切なことを学んでいく。

 著者は、緒方健二さん(66)。2022年4月、北九州市の東筑紫短期大学保育学科に入学し、保育士資格、幼稚園教諭免許、こども音楽療育士資格を取得して、今春に卒業した。

 大分県出身。父親も地元紙の新聞記者だった。大学では新聞学を専攻。1982年に毎日新聞社に入社し、88年に朝日新聞社へ。長崎では90年、長崎市長が撃たれる事件に遭遇し、東京で警視庁担当になると、95年にオウム真理教による地下鉄サリン事件、警察庁長官狙撃事件が起きた。

 39年にわたって事件取材を続ける中で、後を絶たず起きていたのが、幼い子どもが被害者となる誘拐や殺人、虐待だった。なぜ罪のない子どもたちが、理不尽な目に遭わなければいけないのか――。

虐待事件を捜査した警察官がこぼした言葉

 ある時、子どもが虐待で命を…

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