高知県四万十市の中村幼稚園の園児約30人が、テントのかたちに盛った土に絵を彫る「土の像」づくりに挑戦した。黒潮町の彫刻家が講師を務め、ハロウィーンにちなんだ絵を描くなどして楽しんだ。
食育活動をしている住民グループ「輪」が「自然の土に触れる体験を」と企画。11月5日、世界を舞台に活躍する「砂の彫刻家」、松木由子さんと取り組んだ。
あらかじめ、保護者約20人が土を長さ15メートル、高さ1メートルに盛って準備した。松木さんがコウモリの絵を彫ってみせると、園児たちは「わあ、すごい、魔法使いみたい」と歓声をあげた。
青空の下で、園児たちは箸やもんじゃ焼きのヘラ、スプーンを手に、魔女やお化け、帽子、カボチャなどを描いた。松木さんのアドバイスで、だんだんと大胆に刻むようになった。削った土をストローで吹き飛ばして仕上げる園児もいた。
骸骨を彫った中村海美さん(5)は「みんなと土に絵を彫るのが楽しいよ」と笑った。
土に書かれた「いつもありがとう」の文字は保護者からのメッセージ。沢田恵理さん(39)は「いつもお世話になっている園の先生や地域への感謝の気持ちを込めました」と話す。
砂浜で砂像を数多くつくってきた松木さんにとって、畑の土で像を作るのは初めての体験という。
松木さんは「みんな工夫して楽しそうに描いています。とても上手ですね。この子たちの中から将来、一緒に砂像を作りながら世界を回る仲間ができたら楽しいですね」と話していた。
園児や保護者らが作った「土の像」は、風雨などで自然にくずれるまで飾られるという。(エリアリポータ―・笠原雅俊)