朝鮮半島出身者が多く暮らす地域として知られる猪飼野(大阪市東成区、生野区)に隣接する私設図書館「猪飼野セッパラム文庫」が、開館から15周年を迎えた。代表理事の藤井幸之助さん(64)は、「日々成長していく図書館を目指したい」と話す。
藤井さんが大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)で朝鮮語を専攻していた1980年代には、猪飼野には朝鮮半島や在日朝鮮人についての専門図書館があり、藤井さんも通っていた。その後閉館してしまい、「新たな場を作りたい」と思うようになった。
京阪神の大学で非常勤講師として朝鮮語や差別人権問題論を担当する一方、2010年に東淀川区の自宅横にあった古い一軒家を借りて、文庫を始めた。
「セッパラム」は朝鮮語で「東風」を意味する。春先に吹く東からの風に、「新しい風」という意味を込めたという。
いつかは猪飼野でやりたいと…