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写真・図版
磯村勇斗さん=東京都世田谷区、村上健撮影

 「新しい学園ドラマが誕生したと思っています」。そう語るフジ系のドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」(月曜午後10時、関西テレビ制作)で、磯村勇斗さんは法的な視点で学校のトラブルに立ち会う主人公のスクールロイヤーを演じています。宮沢賢治的なモチーフがちりばめられた不思議な世界観を持つ作品で、どんなことを考えながら演じているのか。話を聞きました。

  • 磯村勇斗がつなぐ宮沢賢治と学校のリアル 初主演でも「今まで通り」

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 ――これまで社会派からコメディーまで、さまざまな作品で印象的な演技を見せていますが、意外にも今回が民放の連続ドラマ初主演だそうですね。

 初めてのことで不安もありましたけど、ただ現場での違いはあまりないですね。自分のスタイルというか、主演だから突っ走ろうということもなく、あくまでも今まで通り、脇役でやっていた時と同じマインドで演じています。

 あえて違いを出そうという気もなくて。ただ、役者人生10年の節目にこういう機会をいただいて、今後きっと濃厚で良質な時間だったと振り返るだろうなという予感がすでにあります。

 ――演じている主人公の弁護士・白鳥健治は、特別な感性を持つがゆえに不登校になった過去を持つ人物です。

 つかみどころのない人だとは正直思いました。人とは違う感覚や世界観を、役者としてどう表現するか。過去にトラウマがあって、学校が嫌いな弁護士という設定でもあり、要素が多くて、彼をどの視点から包んであげればよいのかと悩みました。

 健治という役は、誰かに包まれて生きていかないといけない存在だとは思うんですが、そう思ってもらうためにはどう演じたらいいのか。

 変に作りすぎないようには意識しつつ、人の弱さだとか、そういったニュアンスをどういうふうに乗せていくか、ということを考えていました。

 ――健治は星や宇宙に憧れていて、「銀河鉄道の夜」の一節をふと口にする場面も。本作の重要なモチーフである、宮沢賢治の存在はどのくらい意識していましたか。

 これは意識した方がいいのか…

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