2023年7月25日 17時34分(日本時間)
東京(時事通信)-労働当局は、男性が上司に同意なく性的指向を暴露されたことが原因で精神疾患を発症したと認定し、労災保険の給付対象となる業務関連疾患と認める判決を下した。
20代男性は3月18日、東京・池袋区の労働基準監督署から判決を勝ち取ったと月曜日の記者会見で語った。
同氏の支持者団体によると、同氏のケースは、アウティングや本人の同意なしに性的指向や性自認を明らかにしたことによって引き起こされる病気が仕事関連と認定された日本初のケースとなる。
男性は2019年5月、東京都豊島区の保険代理店に就職した。
約1カ月後、上司は「一人にだけ言っても問題ない」とパート従業員に性的指向を打ち明けたという。
男性はアウティングが原因で精神疾患を発症し、2021年10月に退職した。
労働監督署は上司のアウティングが職権乱用であるパワーハラスメントに当たると判断した。
同社はすでに男性に謝罪し、示談金を支払った。
支援団体のメンバーは、判決がこうした行為に対する社会的責任を認めたことで「差別やアウティングの撤廃に向けた機運を醸成できると信じている」と述べた。