東京都中央区の教室でそろばんを操作する社会人。
2023年1月24日 10:51 日本時間
そろばん(そろばん)は、学校外で子どもたちの学習活動として人気があったが、仕事に役立つという理由で学び直す大人もいるなど、再び注目を集めている。 スマホを開けば計算できる時代に、そろばんは本当に必要なのか?
“行け!” 昨年12月1日午後7時過ぎ、東京都心部の石堂秀山学園東日本橋校では、先生の掛け声で生徒たちがそろばんを動かし始めた。 その中には仕事帰りのサラリーマンも含まれていました。
ビーズを動かしてかけ算や割り算を行い、たたく音を出しました。 授業の最後に、生徒たちは先生が数字を読み上げながら暗算をしました。 「さて、671 円、940 円、引き算は…」生徒たちは目を閉じて指先を動かしながら、先生の声に耳を傾けました。
2年前に入学した大手メーカー勤務の黒原秀美さん(58)は「予算などの打ち合わせで、相手の話を聞きながら頭で計算できるようになった。 履歴書の数字の間違いは私が最初に気づいた」と笑った。
東日本橋にあるこの学校は2014年に開校した。千葉県でそろばん教室をチェーン展開するイシドによると、当初は子ども向けの授業が中心だったが、そろばんの技術を活かしたい大人の生徒が増えたという。仕事が増えたため、2016年から大人向けのクラスを開始。
2020年7月に開始したオンラインそろばん教室「おおぞらパス」では、社会人生徒が全体の4割を占めています。 講師の根岸秀成さんは「数字が得意になり、ビジネスの場で信頼を得たいという生徒が多い」と話す。
統計局経済センサスなどによると、1986年には全国で1万3010校だったそろばん教室が、電卓の普及や指導員の高齢化などにより、2016年には6446校に半減した。 しかし、その減少幅は縮小傾向にあり、近年では暗算や右脳の発達に効果があると謳うそろばん教室が増えています。
諏訪理科大の篠原菊典教授は「そろばんは脳を活性化し、情報を一時的に保持して処理するワーキングメモリーを鍛えます。 子供がこの能力を発達させ、大人がそれを維持することは有益です。」
関西福祉科学大学の八田毅学長は「紙に書かれた数字を暗算するときは、主に数字を扱う左脳を使う。 しかし、そろばん式の暗算では、右脳も使います。頭の中にそろばんの珠をイメージしながら計算するからです。 画像は文字よりも多くの情報を保持し、覚えやすいため、複雑な計算をすばやく実行できるようになります。」
プログラミングが学校の必修科目になるなど、理科系の科目が重視される一方で、子どもたちの算数嫌いは根強い。 全国そろばん教育協会の高橋房雄事務局長は「受験を視野に入れて関心を持つ保護者が増えている。 [for their children]」
そんな中、そろばんとITの機能を組み合わせて子どもたちの暗算力を伸ばす授業が人気を集めています。 そろタッチは、そろばんの代わりにタブレットを使った暗算トレーニング法で、東京都の株式会社デジカが運営するサービスです。 学習者は画面に表示されたビーズに触れ、ビーズの色の変化を確認しながら計算し、暗算能力を強化します。
会長の山内千佳さんは元銀行員。 金融商品を扱うトレーダーは暗算が得意で、職場で頼りにされていることを知り、2016年にサービスを開始。 現在、国内外で200以上のクラスが運営されていると彼女は語った.
影山英夫・元大阪府教育委員長は「基礎を繰り返し練習することで、計算力や暗算力はもちろん、読解力や集中力も身につく。 電卓は正確に計算するための道具ですが、そろばんは人間の能力そのものを向上させるための道具です。」

東京都千代田区の授業で、そろタッチアプリを使ってタブレット画面に表示された数珠をタッチして計算する生徒。
100カ国以上
そろばんは4000年前のメソポタミア文明で誕生したと言われています。 西洋からシルクロードを経由して中国に伝わり、棒の上を滑る可動ビーズの列からなる今日のそろばんの原型が作られました。
そろばんが日本に伝来したのは室町時代の16世紀。 江戸時代、商業の発展と寺子屋の興隆とともに人気を博しました。 そろばんの学習は、1935年に旧制の小学校で必修化され、現在も小学校の3、4年生の算数の授業で教えられています。
全国そろばん教育協会によると、世界100カ国以上でそろばんが教えられています。 マレーシアに本社を置く世界最大のそろばん教室の運営者であるUCMASは、暗算能力の習得による集中力と暗記力の育成を目的としており、アメリカ、ヨーロッパなどに100万人以上の生徒を抱えています。