埼玉県の発熱外来で、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを同時に検査する検査キットを使う医師。
2022年11月29日 17:35 日本時間
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザウイルスを同時に検出するための検査キットが市販されることで、外来発熱クリニックへの負担が軽減されることが期待されています。 しかし、新型コロナウイルスとインフルエンザの二重感染が懸念される冬が近づく中、抗原検査キットの精度への懸念など、対処すべき課題があります。
東京の落合駅前クリニックの院長である安藤朔郎氏は、「若い人など深刻な病気になるリスクが低い人々が自分で検査を実施できるようにすることで、圧倒的な数の患者が発熱外来に殺到する状況を防ぐことができます。
オンライン健診の活用は政府の一斉感染対策の大きな柱であり、検査キットは感染が疑われる患者の検査の一要素となる。
しかし、感染症の専門家の中には、検査の精度に懸念を抱いている人もいます。
日本感染症学会インフルエンザ委員会委員の関雅史・埼玉医科大学教授は「医療機関でも抗原検査でインフルエンザを正確に診断できるのは60%程度。 「自宅では、標本が正しく採取されないと、精度がさらに低下する可能性があります。」
インフルエンザの発症時にはインフルエンザウイルスの数が少ないため、発症後 12 時間経過するまでは、患者がインフルエンザに感染しているかどうかをキットで正確に判断することはできません。 インフルエンザ治療薬のタミフルは、発症から 48 時間以内に服用しなければならないため、この治療の機会を逃して偽陰性の結果が出る可能性があります。
「検査結果が陰性で安心しないでください」と関は言った。 「症状が続く場合は、別の検査または医師の診察が必要です。」
また、利用可能な検査キットが十分にあるかどうかも不明です。
東京に本拠を置く大手検査薬メーカーのデンカの担当者は、「現時点では、キットを薬局で利用できるようにする予定はありません。医療機関にキットを供給するために最善を尽くしています」