神奈川県真鶴町は、水道料金を7月から全体で約21%引き上げる条例改正案を、3月の定例町議会に提出する方針を固めた。小林伸行町長は水道料金が県内一高いとして2023年の町長選の公約に「値下げ」を掲げていただけに、1年余りで値上げに転じたことは議論を呼びそうだ。
町によると、条例改正で料金体系を見直し、水道管の口径による基本料金は13~29%引き下げる一方、水の使用量に応じて支払う従量料金は全体として引き上げる。
生活に最低限必要な水は無理なく使えるように、これまで月10立方メートルまでは「基本水量」として無料にしてきたが、この仕組みは廃止して使った分はすべて従量料金の対象とする。
これらの見直しで、一般家庭に多い口径13ミリの場合、1カ月の水道料金は使用量が10立方メートルだと1547円から2200円に、20立方メートルだと3747円から4400円に、それぞれ値上がりする。町の試算では、水道加入者の86%が値上がりとなり、全体の料金収入は年間で約4100万円増えるという。
町の水道料金は長らく「県内一高い」とされてきた。口径13ミリで月10立方メートルだと、近隣の湯河原町は851円、小田原市は935円だ。三浦市が昨年4月の値上げで月10立方メートルで1485円、20立方メートルで3927円(いずれも一般用)となったものの、真鶴町は今も県内最高水準にある。
物価高騰の中、踏み切る理由は
今回の条例改正案が可決され…