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福島県観光物産館には全国新酒鑑評会の金賞酒が並べられ、さっそく買い求める客が訪れた=2025年5月21日午前11時19分、福島市、岡本進撮影
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 今年の全国新酒鑑評会(酒類総合研究所、日本酒造組合中央会共催)の結果が21日に発表され、特に優秀と認められた金賞に県内の16銘柄が選ばれた。都道府県別の金賞受賞数は兵庫県と並び、全国で最も多く、3年ぶりの日本一に返り咲いた。

 2024酒造年度(24年7月~25年6月)の新酒のできを競う催しで、全国から809点が出品された。4月の予審で、優秀と認められた入賞酒410点(県内は30点)が選ばれ、5月上旬の決審で、入賞酒の中から金賞202点が選ばれた。県勢は日本一の10連覇をかけた一昨年に5位に落ち、18銘柄が金賞となった昨年は1点差で2位だった。

 新酒鑑評会の連覇は、原発事故の風評被害に苦しむ福島の復興を牽引(けんいん)してきた。ただ、「福島の日本酒」の高い評価が全国で定着したことで、最近は違う様相を見せていた。金賞獲得に固執せず、新たな酒造りを試す蔵元が増えていた。

 この13年で9回の金賞受賞を誇る鶴乃江(つるのえ)酒造(会津若松市)は、その一つ。金賞を狙う酒米は、しっかりとした味わいの酒になる兵庫県産の山田錦が定番だ。「酒米の王様」と言われ、鶴乃江酒造も用いてきた。

 だが、ここ2年、県産米の「…

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