東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働が迫る一方、県内では13年半前に起きた東京電力福島第一原発事故の影響が今も一部に残っている。放射性物質に汚染された稲わらなどの廃棄物や除染土の処分が滞り、食品の出荷制限も一部で続く。原発事故の「後始末」のメドは付かないままだ。

 2011年の原発事故では県内にも放射性雲(プルーム)が流入。9市町村が法律に基づき除染する「汚染状況重点調査地域」に指定されたほか、家畜の餌になる稲わらや牧草、堆肥(たいひ)なども放射性物質に汚染された。原発事故1年後には食品の出荷制限が川魚や山菜、野生動物など27品目に広がった。

 環境省によると、国の処理基準(1キロあたり8千ベクレル)を超える稲わらや牧草など「指定廃棄物」が17年3月時点で県内に3413トンあった。その後、基準を下回って指定を解除したり、処分したりしたが、今年6月末時点でも2828トン残る。このほか8千ベクレル超だが市町村が国に申請していない「未指定廃棄物」も17年時点で578トンあった。環境省は現時点の未指定分の保管量を把握、公表していない。

 指定廃棄物について、国は県内に国の負担で最終処分場を建設して処分する方針だが、候補になった国有地3カ所の近隣住民が建設に反対。環境省が16年に、県の現地調査見送り要請を受け入れて以降、表だった動きがない。

女川原発30キロ圏の南三陸町、焼却施設なく

 県によると、17年時点で2…

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