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Re:Ron(リロン)編集部から

 秋の顔つきも変わってしまったのでしょうか。お彼岸を過ぎても真夏日あり、11月並みの気温の秋雨あり……。エコバッグを持って買い物に行くと、天候不順の影響で高値が続く野菜や果物を前に、「不安だ」とモゴモゴ言いながら熟慮して品物を選ぶ日が続いています。

 この夏、体温ほどもある気温と格闘しながら、ふと思いました。「日々、お天気のチェックは欠かさないのに、気候危機への関心が高まりにくいのはなぜ?」。大きなテーマではありますが、Re:Ronでは8月から「コミュニケーション」を切り口に、特集「気候変動の話をしよう」を始めました。

 日々の気象情報と気候変動をセットで伝える取り組みを続ける気象キャスターの井田寛子さんや、環境活動家グレタ・トゥンベリさんに触発されて格差問題も交えた「気候正義」を伝えようと模索する黒部睦さん、在学中に長野・白馬高校の断熱化に取り組んだ手塚慧介さん=写真=、「お得」を切り口にエコな取り組みを広げようとしている元環境事務次官の小林光さんに、話を聞いています。

 「正義」だけでは伝わりにくい今の時代。そこをどう乗り越えるのか。猛暑や豪雨が続いても、気候変動への取り組みはなかなか盛り上がりません。東京都知事選、各党の党首選でも環境対策は奥ゆかしすぎる脇役でした。今回の総選挙では、どうでしょうか。欧州でも、数年前に盛り上がった若者の気候正義運動は、以前ほど元気がないように見えます。

 待ったなしの局面にあって、少しでも関心が高まるための一助になれるよう、息長く続けたいと思っています。

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