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細胞を培養するロボット。AIと研究を進めている=神戸市の理化学研究所

 「今日、人工ニューラルネットワークは、物理学、化学、医学にまたがる研究分野で強力なツールとなっている」

 10日にスウェーデン・ストックホルムで開かれたノーベル物理学賞と化学賞の授賞式では、AI(人工知能)が科学を加速させていることに賛辞が贈られた。

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 深層学習や、ChatGPT(チャットGPT)のような大規模言語モデルなど、次々に登場する高度なAI技術によって、人間には見つけられなかった新しい真理をAIが発見する――。そんな目標を掲げる研究プロジェクトも国内外で進む。それほどAIは科学研究のあり方を大きく変えつつある。

 理化学研究所などのグループは、科学研究に特化した「基盤モデル」を開発するプロジェクトを今年4月から始めた。基盤モデルは大量で多様なデータで訓練され、さまざまな用途に適用できる「頭脳」にあたる。

 チャットGPTなどで使われている基盤モデルは、大量の言語を学習しているが、科学研究には専門の知識やデータ、グラフ、図表などを学習する必要がある。まず生命科学と材料分野でそれぞれ基盤モデルを作り、ゆくゆくは分野の垣根を越えたモデルの開発につなげたい考えだ。

AI科学者の登場「遠くないうちに」

 プロジェクトでは、細胞を撮…

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