常習的に窃盗を繰り返したとして常習累犯窃盗罪に問われた札幌市北区、無職海野秀男被告(88)と、犯行に協力したとして窃盗などの罪に問われた同市白石区、無職松田秀美被告(71)の判決が26日、札幌地裁であった。渡辺史朗裁判官は海野被告に懲役4年6カ月(求刑懲役6年)、松田被告に懲役3年(求刑懲役4年)を言い渡した。
判決によると、海野、松田両被告は共謀し、5月19日夜、北海道江別市内の空き家からウイスキー3本など5点(時価計約1万円相当)を盗んだ。6月20日夜には、札幌市東区内の民家に空き巣に入り、ネックレス6本など13点(時価計約56万3千円)を盗んだ。
渡辺裁判官は、強盗や窃盗の前科15犯がある海野被告が、直近の懲役刑を終えた約4カ月後に犯行に及んだことを指摘。「高齢で足腰がままならないにもかかわらず、なおも窃盗に及ぶ常習性は驚倒に値する」と非難した。
松田被告についても、窃盗などで2回服役し、仮釈放中だったことに言及。「海野被告に頼まれて従属的に協力したとはいえ、意思決定には厳しい非難が値する」とした。
この日、海野被告は車いすで出廷。「何度も言われていると思うが、これで最後にしてください」と説諭され、「はい」と答えた。(上保晃平)