国立大の悲鳴 法人化20年
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 金沢大学生の一人ひとりが安心して使えるトイレを少しでも増やしたい――。金沢大は昨秋、キャンパス内のトイレ改修費を集めるためクラウドファンディングを行った。

 同大が現在地に移転して30年余り。改修時期を迎えたトイレの便器は、約300ある。女性が和式を敬遠し、「洋式待ち渋滞」で休み時間にトイレに行けないといった不満も寄せられていた。

■2カ月で寄付額355万円

 だが、電気代などの高騰もあり、自己資金だけでは長い時間がかかる。そこで寄付を集め、便器の洋式化や、床面の塗り替えなどの改修を前倒しすることにした。2カ月間で、目標額を上回る355万円が集まり、大学側の思惑は当たった。

 トイレなどの施設整備費用は、国から配られる「運営費交付金」でまかなわれる。ほかにも、人件費や光熱費、教育研究費などに使われる。国立大が法人化した2004年度から15年度までの間に、全体で1470億円が減らされた。現在は、約90の国立大学法人などに計約1兆1千億円が投入されている。ただ、うち1千億円は若手研究者比率などの「共通指標」の達成状況などによって、配分に差がつけられている。

 朝日新聞社が国立大法人化2…

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