南海トラフ巨大地震の被害想定が全面的に見直された。和歌山県では最悪のケースで死者が6万5千人に上ると推計されている。30年以内の発生確率は80%程度。迫り来る危機にどう備えるか。記者が実際に起きた場合を想定しながら考える。
【発災直後】新宮支局記者がシミュレーションしてみた
「ブイッ、ブイッ、ブイッ! ブイッ、ブイッ、ブイッ!」。会社から貸与されているスマートフォンと私用スマホの両方がけたたましい警報音を発し、本体もブルブルと震えた。緊急地震速報のエリアメールだ。
さらに「キンコンカンコンキーン、キンコンカンコンキーン」というチャイムの音。津波警報のエリアメールも出た。
午後1時半ごろ。取材先から、取材用私有車を運転して国道42号を走り、和歌山県新宮市内の事務所兼自宅に戻る途中だった。すぐにコンビニエンスストアを探して駐車場に車を止めた。
運転中、初期微動にはまった…