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【動画】毎試合、守りに就いた時の三回、2人目の打者、2球目の前にマウンドの投手を中心に踊ってから投げる取り組みを行っているサバンナ・バナナズ=提供

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2023年8月11日、米ニューヨーク州スタテン島で行われた試合で、歌いながら打席に向かうサバンナ・バナナズの選手=アレクシス・ベイツ撮影
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 テイラー・スウィフトやマライア・キャリーのアップテンポな曲に合わせて、審判が体をくねらせる。グラウンドに立つ選手も大声で歌っている。

 昨年8月。米ニューヨーク州スタテン島で行われたエキシビションは、ミュージカルさながら。みんなノリノリだった。客席を埋めた子どもや女性は、「サバンナ・バナナズ」の面々の一挙手一投足に夢中になっていた。

 竹馬のような物を使った「世界で最高身長」の投手に、巨大なバットを握った打者もいる。得点が入ればラインダンスの披露もある。黄色のユニホームに身を包んだ彼らがプレーするのは、ファンを楽しませることを最優先にした〝新しいスタイル〟の野球だ。試合が終わるまで観客が席を立とうとしない興行はいま、米社会で「スポーツ史上、最高のエンターテインメント」と呼ばれる。

自宅売却→200万人近くがチケット待ち

 2015年秋のことだった。バナナズが本拠を置く人口約14万8千人の南東部ジョージア州サバンナ。この街で愛された大リーグ傘下マイナーリーグの球団が、約250キロ離れた州外の街に移転した。新球団が代わって誕生したものの、夏季に行われる大学生リーグのチームだった。

 レベルの落差に客足は球場か…

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