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建設工事が進む大阪・関西万博の会場=2025年2月4日午前11時17分、大阪市此花区、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影

 戦闘機の操縦席のような「浴室」だった。中に座り、透明なカバーを閉めると、1分ほどで胸まで湯がせり上がる。湯に直径0.003ミリの超微細な気泡があらわれ、体を洗ってくれる。

 背もたれに仕込んだセンサーで脈拍をとって年代や気分を推測し、水流の強さを脈拍の反応をみながら調節する。落ち込んでいれば、カバーの内側に明るい気持ちになるような映像を映し出し、軟骨伝導で音楽も聴かせる。体を乾かし終えるまで15分だ。

 「ミライ人間洗濯機」と名付けたこの「浴室」は、4月13日~10月13日に開かれる大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに登場する。1日7~8人の体験者を募集している。

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サイエンスが大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンに出展する「人間洗濯機」=2024年12月20日午後3時31分、大阪市中央区、諏訪和仁撮影

 手がけるのは、超微細の気泡が出るシャワーヘッド「ミラブル」などをつくるサイエンス(大阪市)だ。創業者で会長の青山恭明(やすあき)(65)は「体験した人たちが全員広報係になりますよ。『人間洗濯機すごかったで』って」。口コミに期待をかける。

 青山が万博に出ると決めたのは6年前。1970年以来、大阪で2度目の万博の開催が2018年11月に決まって間もないころだ。「人間洗濯機は万博の目玉になる。みんなで万博に出よう」。社内に呼びかけた。

 人間洗濯機はもともと、三洋…

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