2023年の「夏の甲子園」のアルプススタンドで応援する智弁学園の吹奏楽部。中村心春さん(中央)もサックスを吹いた=2023年8月17日午後0時35分、阪神甲子園球場、佐藤道隆撮影
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 この春も、父のおさがりの一眼レフを片手に、奈良県大会を見に行った。

 智弁学園(奈良)吹奏楽部の副部長、中村心春(ここは)さん(高2)の「高校野球好き」は、部内のみんなにも知れ渡っている。

 観客席からの声援を聞きながら、望遠レンズで選手を写真に収めた。

アルプスの夏音

高校野球の応援演奏をめぐる物語

 選手たちのひたむきな姿が見られる試合は、県大会も魅力的だ。

 だけど、阪神甲子園球場の雰囲気はやっぱり違う。アルプススタンドの応援は「地響きがするほど。一体感があって格好いいんです」。その熱気について語る時、力がこもる。

 高校野球ファンになったきっかけも甲子園だ。

相手を惑わせるあの曲

 智弁学園中学に入学して吹奏楽部に入り、1年が経ったころの「春の甲子園」。出場した高校生の先輩たちの応援でスタンドに入った。

 この時は、新型コロナ禍の制…

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