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第172回芥川賞・直木賞の候補作

 第172回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日夕、東京都内で開かれます。両賞ともに五つの候補作から受賞作が決定。ノミネート作品の顔ぶれを候補回数の多い順に紹介します。

  • 芥川賞・直木賞の候補作発表 乗代雄介さん、朝倉かすみさんら

 まずは芥川賞から。

 5回目の候補となるのが乗代雄介さんだ。塾講師を務めながら、2015年に「十七八より」で群像新人文学賞を受けてデビュー。すでに野間文芸新人賞や三島由紀夫賞など多くの文学賞を受けている。候補作「二十四五」(群像12月号)はデビュー作以来続くシリーズの一作。慕っていた叔母をガンで亡くしてから5年後、弟の結婚式に出席するため仙台を訪れた作家の「私」が、実現しなかった叔母との旅行計画を思い出し、その地を歩く。

 安堂ホセさんは22年に文芸賞を受けたデビュー作「ジャクソンひとり」、2作目の「迷彩色の男」に続き、3作続けての候補となった。候補作「DTOPIA(デートピア)」(文芸秋号)は、南の島を舞台に世界各地の美男美女が参加する恋愛リアリティーショーが題材。人種や性的指向が多様な登場人物たちの過去が、グロテスクな皮肉とともに描かれる。

 初候補3人のうち、竹中優子さんと永方佑樹さんは他の文芸分野ですでに活躍している。

 竹中さんは、歌人として角川…

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