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落語家・桂南光さんと大阪・国立国際美術館へ

 今回、桂南光さんと訪ねたのは大阪の国立国際美術館。前衛美術グループの具体美術協会(具体)を創設した画家・吉原治良(じろう)(1905~72)の晩年の代表作「無題」(71年)について、福元崇志(たかし)主任研究員に聞きました。

写真・図版
吉原治良「無題」(1971年)の前に立つ桂南光さん(右)と国立国際美術館の福元崇志主任研究員

 南光 こんなにじっくり見たことない。最初はごっつい筆かなんかで一気に描いているのかと思ったけど、それにしてはえらいまとまってる。ある種計算されたような感じもしますね。

 福元 おっしゃる通りです。とても計算されていて、書をほうふつとさせるんですけれど、白い部分は描いていないんですね。描いているのは黒い部分の方なんです。近くで見ると、黒の微妙なかすれが白の上に乗っていることが分かります。

 南光 「○△□(まるさんかくしかく)」という禅宗のお坊さん(仙厓(せんがい))が筆で描いた作品があるけど、それとは全然違うんですね。

 福元 禅の円相(悟りや宇宙…

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