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防衛大学校名誉教授の立山良司さん(左)と同志社大准教授の三牧聖子さん=東京・築地、柴田悠貴撮影
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 イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲し、パレスチナ自治区ガザでの軍事衝突が始まってから半年。戦闘を止める手立てはあるのか。立山良司・防衛大学校名誉教授(イスラエル政治)と三牧聖子・同志社大学准教授(米政治外交)による対談の後編は、欧米への「ダブルスタンダード(二重基準)」批判を踏まえながら、パレスチナ問題のゆくえを考えます。

  • 【前編はこちら】「いびつな犠牲者意識」で共鳴するイスラエルと米国 どうなるガザ

 ――この戦いに着地点はあるのでしょうか。

 立山 イスラエルは昨年末、ガザ北部は掃討が終わったと言って、中部に戦闘の中心を移してきました。ところが最近、北部のシファ病院で再び戦闘が起こりました。

 これが意味することは、イスラエルにとってガザの戦争は終わらないということです。戦闘状態は終わっても、ハマスの壊滅は不可能です。ハマスの戦闘員になりたい人は次々と現れるでしょう。イスラエルはハマス壊滅以外に明確な目的を持たないまま、軍事作戦を続けるしかなくなっています。

 どう向きあえばいいか。答えは持っていません。でも一つ大事なことは、軍事的手段だけではなく、政治的な手段も併用しないといけない。ハマスを含むパレスチナの各派と話をして、政治的な妥結をさぐることです。

後半ではパレスチナ問題に対して国際社会はいかにアプローチてきるか。日本も掲げる「法の支配」の視点から議論します。

「トランプ氏の方が平和」との意見も

 三牧 良識を持った米国の指…

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