
四国山地の山並みが見渡せる徳島県北西部の美馬市脇町の集落に、築約100年の古民家がある。トラクターなどの農機具を収めた倉庫の入り口にのれんがかかり、手づくり感たっぷりの書店があった。
2023年1月にオープンした「まるとしかく」。店内の天井には古い梁(はり)が見え、板張りの内装からは木のぬくもりが伝わってくる。隣の母屋はゲストハウスになっており、宿泊もできる。コンセプトは「泊まれる本屋さん」だ。
宿泊客のために夜10時まで開けており、「好きなだけ本が読めます」と店主の内田未来(みく)さん(43)。「ここではおふろ上がりに裸足で店に上がって、リラックスして本を探せる。オフの状態のときにこそ、その人にあった本を見つけられると思うんです」
内田さんは神奈川県出身。東京や米国の大学で企業会計を学び、27歳まで米国企業に勤めた。帰国後は東京の外資系企業などで10年ほど働いた。
だが、大都会で暮らし続けるうち、心の内に違和感を抱くようになった。「働いて、お金を払って、サービスや物を買うことはできるけれど、自分で何かを生み出した感覚はない。人として不完全な感じがした」
軽い気持ちで訪れたら
東京以外の場所も見てみたい…














