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若者が行き交うソウルの学生街・弘大(ホンデ)の交差点。総選挙を前に候補者の横断幕が掲げられている=2024年4月7日、太田成美撮影
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 韓国には、ソウルにある大学を指す「インソウル」という言葉がある。大半の若者が、アルファベットの頭文字から「SKY」と呼ばれるソウル大、高麗(コリョ)大、延世(ヨンセ)大といったソウルの有名大学を目指す。待遇の良い大企業への就職に有利とされ、人脈も広がると期待するからだ。

 今月10日の総選挙に向け、各政党が準備を進めていた2月に南部・釜山の大学を卒業した女性(25)は、インソウルの「呪縛」に苦しんできた一人だ。ソウル近郊の出身。苦手な受験勉強にも励んだが、夢はかなわなかった。「できればソウルにある名の通った企業を」と始めた就職活動も思うようにいかなかった。いまは「とりあえず」とワーキングホリデーで外国に行く準備をしている。

韓国総選挙2024 「分断と葛藤」の足元で

韓国で4月10日、国会議員の総選挙が実施されます。2年前に発足した尹錫悦政権に対する「中間評価」となりますが、有権者はどんな思いで韓国社会の現状を見つめているのでしょうか。現場から3回に分けて報告します。

 就活では、大学名、英語能力試験「TOEIC」の成績、留学経験など「スペック」と呼ばれる要素が高いことが大企業への就職に必須とされる。留学や資格試験などの勉強に充てるため2年程度休学する学生も多い。女性も休学などをはさみ卒業まで6年を要した。

 だが、いざ就活に向けて動き…

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