若いカップルがなぜセックスレスになるのでしょうか。そもそも、カップルのレスは問題なのでしょうか。「20代のセックスレス」をテーマに研究している社会学者で明治大非常勤講師のアリス・パッハーさんに聞きました。
――20代のセックスレスをどう考えたらいいのでしょうか。原因は何なのでしょうか。
15年ほど前、日本の大学に留学中にセックスレスという言葉を聞いて興味を持ち、2010年から、セックスレスの経験がある20代へのインタビューを続けてきました。セックスレスの原因は、多様な要因が絡まっていると思います。
著書「したいけど、めんどくさい」（晃洋書房）や論文では、原因の一つとして初体験でのネガティブな経験が影響を及ぼしている、と書きました。
特に女性には、初めての性行為での痛みや苦痛から、性行為に対してネガティブな印象を持つ人が多くいました。
ただ、原因はそれだけではありません。日本社会の性に対するネガティブなイメージも影響していると思います。
――どういったイメージでしょうか。
性教育を教える立場であるはずの学校の先生は性の話をすることを恥ずかしがり、親に聞いたら「聞いちゃ駄目だよ」と言われる。幼少期からそのような経験が積み重なると、「性は隠すもの」ととらえ、性をタブー視するようになります。
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