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 公立小中学校の教員には残業代が払われません。仕事の特性から、残業時間を区切りづらいという理由です。代わりに、基本給の一定割合を上乗せ支給する仕組みが教員給与特措法(給特法)で定められてきました。

 その給特法が改正されました。給与の増額や、教員の負担軽減のための計画策定などが盛り込まれましたが、残業代が払われない仕組みが残ることに反対意見もあります。

 給特法はなぜ必要なのか。

 中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の委員として、改正案のもとになる答申をまとめた1人でもある埼玉県戸田市の戸ケ﨑勤教育長(70)に聞きました。

 ――法の枠組みが必要と考えた理由は。

 給特法は制定から50年以上経ち、当時とは教師の置かれた状況は大きく異なっています。何らかの見直しが必要だとは思いますが、給特法や、他の公務員より給与を優遇し人材を確保することを目的とした「教育職員人材確保法」(人確法)の精神がなくなっては困ります。

公務員とは異なる全人格的な仕事

 ――その精神とは。

 教師の仕事は全人格的なもの…

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