アフリカ南部ナミビアで21日、初の女性大統領としてネツンボ・ナンディヌダイトワ氏(72)が就任する。ナミビアは国会議員に占める女性の割合が4割で、世界的な「ジェンダー先進国」だ。政治の世界の男女平等を進めるため、「ゼブラ式」という特別な仕組みを導入している。
【連載】政治とジェンダー 世界の現場を歩く
日本の政界は女性の割合が少ない。改善に向けた取り組みもあまり見られない。ただ、世界に目を向ければ、状況が異なる国もある。市民が声をあげ、あるいは制度を活用して、ジェンダー平等を実現しようとしている。そんな世界の現場を、記者が歩いた。
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大統領選を控えた昨年11月下旬、ナミビアの首都ウィントフークでの与党「南西アフリカ人民機構」(SWAPO)の選挙集会が開かれた。会場には、子どもから年長者まで、男女問わず多くの人が駆けつけた。
「ナミビアで最初の女性のリーダーとなるのは、ネツンボだ!」。司会者の女性がそう呼びかけると、聴衆は拳を突き上げ、歓声で応えた。
男女が「代わりばんこ」になる「ゼブラ式」
友人と集会に来ていたヘロ・…