わがままで予測不能な「トランプの米国」は、第1次政権時よりさらに世界経済を振り回すことになるかもしれない。
米国は第2次世界大戦後の世界経済をずっと牽引(けんいん)してきた。そのパワーは圧倒的な軍事力、巨大な生産力に裏打ちされるものではあるが、唯一無二の経済大国たらしめたものは何と言っても巨大な消費市場の存在だ。
米国の消費者たちは世界中で生み出されるモノやサービスを貪欲(どんよく)に消費してきた。見返りにばらまかれたドルは、巨大市場に魅せられた各国企業の投資によって再び米国に集まってきた。どの国も基軸通貨ドルなしにグローバル市場に参入できない。
このシステムを支えてきたのは世界で最も豊かな米国の消費者であり、衰えることのない旺盛な消費意欲だ。
だが近年、この循環に不協和…