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匿名出産で生まれたモリーン・ブランシャールさんは小さい時から自分は実子でないことを知っていたと話す=2023年10月9日、パリ、大貫聡子撮影

 実母は子を手放した理由をこう書き残していた。

「赤ちゃんが幸せになってほしいから」。

 フランスでは子どもを育てることを望まなくても、病院で安全に出産できる匿名出産が法律で認められている。

 モリーン・ブランシャールさん(32)もその制度のもとで生まれ、生後3カ月の時に養親に迎えられた。

 24歳の時、養子縁組をした団体に問い合わせて、出自について記された資料の開示を受けた。

 望まぬ妊娠に悩み、女性が誰にも相談できず孤立して出産するケースが絶えない。匿名出産など女性と子の命や権利を守るフランスの取り組みとは。日本で独自に母子を支援する慈恵病院の視察に同行しました。

 パリ市内で取材に応じたブラ…

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