A-stories 日産の行方 危機再び③

日産自動車グローバル本社

 背水の日産自動車にとって、一筋の光明となりうるのか。

 日産が4月27日に中国で売り出した電気自動車「N7」。その売れ行きが好調だ。

 発売から約1カ月で1万7千台余りの受注を獲得。その勢いは加速し、昨年4月から前年同月実績を下回っていた日産の中国での新車販売台数は、今年6月、15カ月ぶりに前年同月比1.9%増とプラスに転じた。7月には21.8%増とさらに勢いを増し、8月も19.4%増と好調を維持している。

 「N7を新たな起点として、新たなスタートに向かって加速していく」

A-stories 日産の行方

日産自動車が苦境にあえいでいます。再建に向けた熾烈なリストラは、国内2工場の停止にも踏み込みました。なぜ、日産はまたもや危機に見舞われたのか。この先、どこへ向かうのか。その実相を探りました。

広州国際モーターショーに展示された日産自動車のEV「N7」=2024年11月16日、広東省広州市、鈴木友里子撮影

 N7発売の4日前。中国・上海市で行われた上海国際モーターショーで日産の現地合弁会社「東風日産」の周鋒・副総経理が発した宣言は、不振の中国市場だけにとどまらず、日産全体の思いを代弁するようにも響く。

 「N7」は、日産が初めて開発を中国主導で行ったEVだ。

中国人好みの内装、部品も現地企業から

 現地主導にすることで「開発…

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