愛車の前で。若い頃はアメリカ車が好きだった=本人提供

 《芸能界は向いていないと思い、就職を考えていた大学4年生の時、連続テレビドラマに出演することに》

 木下恵介監督の映画「喜びも悲しみも幾歳月」のテレビドラマ版で、灯台守の助手の役がきた。先の単発ドラマはアルバイト感覚だったけど、連ドラだし、就職をするか芸能界に入るかの分かれ目だったから、大事にしようと本腰を入れてやりました。演出家に「どうすればいい?」と聞くのもやめて、自分で考えて、ね。

連載初回はこちら

 テレビ司会者・関口宏さんが半生を振り返る連載「淡々と、貫いて。」。全5回の3回目です(2024年10、11月に「語る 人生の贈りもの」として掲載した記事を再構成して配信しました)。

 そこから出演依頼が引きも切らなくなり、自然と芸能界で生きていくことになります。大きかったのは、西河克己監督が映画「四つの恋の物語」(1965年)で、吉永小百合さんの相手役にと声をかけてくれたこと。これはうれしかったですね。僕は小百合ちゃんが初めてキスしそうになるシーンの相手のはずなんですよ。そう本人に言ったら、全く覚えていなかったけど。

 戦後70年、2015年末放送の報道特番にはゲストとしてお招きしました。小百合ちゃんは1945年生まれ。戦後日本を体現している方です。

 《同じ俳優の道を歩むことになった息子に、父・佐野周二がかけたのは「安っぽい芝居はするな」だけだった》

 二枚目映画スターだったおや…

共有
Exit mobile version