人工芝の色が青空によく映えていた。
米オレゴン州カイザーの「ボルケーノズ・スタジアム」で今年2月、芝が新しくなって初めての試合が行われていた。
芝の張り替えプロジェクトへの投資額は約220万ドル(約3億2千万円)。独立リーグ球団「セーラム・カイザー・ボルケーノズ」の最高経営責任者(CEO)を務めるミッキー・ウォーカーさん(26)の感慨もひとしおだ。
両親が球団の共同オーナーだった。物心がつく頃には球場にいた。CEOに就いた2019年、球団は大リーグ・ジャイアンツ傘下1Aの短期シーズンのチームだった。明日を夢見る若者が主体。過去にはジャイアンツでリーグMVPに輝いた捕手バスター・ポージーや、サイ・ヤング賞を2度受賞したティム・リンスカムらも在籍した。人口約3万9千人の街の誇りだった。
「幽霊のようにいなくなった」
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