大リーグで今季54本塁打、59盗塁を記録したドジャースの大谷翔平選手(30)が21日(日本時間22日)、ナショナル・リーグのMVPを受賞しました。大谷選手は現在、米国ではどのように受け止められているのでしょうか。受賞に先立ち、元AP通信の記者で、ペンシルベニア州立大のジャーナリズム学科長のジョン・アフレックさんに聞いていたので紹介します。
――今季のプレーについての感想を
ワールドシリーズは19打数2安打に終わりましたが、チームのシリーズ制覇に貢献し、米スポーツ界における存在感は増しました。
元通訳のスキャンダルを乗り越えて活躍もしました。守備に就かないため、受賞は難しいと言われてきた指名打者でMVPを獲得できるのはおそらく彼だけでしょう。
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――チームを移ったことで立場の変化は
野球で伝統的な人気球団と言えばヤンキースにレッドソックス、ドジャース、メッツ、カブス。そのうち三つが東海岸で、カブスは東部に近い中部都市のシカゴです。
そういう意味で西海岸のドジャースは特別です。歴史が深く、多額の投資でスター選手を獲得してきました。その球団の中心選手ですから、注目度はかなり上がりました。
黒人選手で大リーグの人種の壁を打ち破ったジャッキー・ロビンソン選手がかつて所属し、多様性を掲げるドジャースに大谷選手がいる意味合いも強いでしょう。
――大谷選手の米国での知名度は実際どのくらいなのでしょう
まず、野球の立ち位置を考えなくてはなりません。私の中で大リーグは米プロフットボールNFLに次ぎ、プロバスケットボールNBAと同等の認知度があると考えます。
関心はNBAが上かもしれませんが、大リーグは年間162試合あり、米国では地域ごとに試合が放映されています。だから全米に広く浸透しているし、野球が今でも私たちの文化の一部であることは間違いありません。
ペンシルベニア州立大はAP通信と提携して、毎年、リトルリーグのワールドシリーズを取材していますが、憧れる選手に大谷選手の名前を挙げる子どもが多い。ただ、途上という印象もあります。
――途上ですか
9月に東部フロリダ州マイア…