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連載「よみがえれ刀」 第4回

 中国には「日本刀歌」という詩がある。北宋の政治家で詩人の欧陽脩(1007~1072)が詠んだとされ、日本刀の精緻(せいち)な細工と美しさを讃(たた)えるのみならず、「帯びれば降りかかる災いも避けることが出来る」と、霊力まで備わっているかのように褒めちぎった内容だ。

 日本刀の海外での評価は昔から高かったようだ。

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 日本刀は、日宋貿易や日明貿易で中国に渡った。元大分県立歴史博物館副館長の真野和夫氏(79)は、「豊後刀もかなりの本数が中国に輸出されただろう」と話す。真野氏は、南蛮貿易を盛んに行っていた豊後の戦国大名・大友宗麟が、豊後刀を主力輸出品の一つとしていたのではないかと考えている。

 大分市顕徳町で現在も発掘が…

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