【動画】警固公園に集まる行き場のない若者たち「警固界隈」と、そんな若者たちを支援につなげようと「伴走」するNPO=西岡矩毅、伊藤未来撮影
2024年5月の夕方、記者は東京・歌舞伎町の新宿東宝ビル横(トー横)にいた。福岡市の警固(けご)公園に集まるグループ・警固界隈(かいわい)の少年少女たちの憧れの地を見るためだ。
小柄な少女ら約10人が歩道や路上に座る。警固公園と違い、スーツケースを持つ子が目立つ。より遠くから集まってきているのだろう。
目の下にまつげのようなアイラインを引き、ミニ丈の黒いワンピースを着た女性(19)は、スーツケースに数週間分の生活用品を詰め込んでいた。実家は千葉。しばらく帰るつもりはないという。ティックトックを見てトー横に来るようになり、もう2年になる。「今は寂しいから誰でもいいから一緒にいたいかも。今日はどこで寝るかわかんない」
女性の隣にいた男性(20)は、近くに泊まり込んでは通うことを繰り返し、トー横歴は4年。「無職のヒモ」を自称するが、月50万円前後の小遣いをトー横で出会った風俗店で働く年上の女性からもらっているという。「パリにもトー横みたいな場所ができたらしいっす。トー横は聖地っすね」と誇らしげに語った。
【連載】西のトー横 警固界隈で
福岡市の警固公園に集まる「警固界隈」と呼ばれる若者たちの日常に迫ります。少年少女の年齢はいずれも取材当時。
トー横の少年少女も、警固公…