「弊社、転勤ありませんよ!」
千葉市の幕張メッセでこの春開かれた学生向けの会社合同説明会。約160社がブースを構えた会場を記者が訪ねると、通りかかる学生に向けて企業の採用担当者が声を張り上げていた。ひときわ目立ったのが「転勤なし」をアピールする企業の姿だ。少なくとも10社はあった。
会場にいた大手保険会社の採用担当者は「転勤がないことをアピールポイントにする企業は、ここ数年で増えてきた印象だ」と話した。
- 「望まない転勤」見直す企業続々 転勤不可68%でも「問題なし」
説明会を主催した就職情報会社マイナビが、就活中の学生に毎年行っている調査からも、学生が転勤を嫌がる傾向はあきらかだ。
2026年卒業予定の学生対象の調査では、行きたくない会社の特徴で「転勤が多い会社」と回答したのは31%に達し、「ノルマがきつそうな会社」(38%)に次いで2番目に多かった。15年卒の学生で「転勤」を挙げていたのは20%で、上昇傾向にある。
背景にあるのが、近年の学生の共働き志向の強さだ。
マイナビの調査で、結婚後の仕事について「共働きが望ましい」と回答した学生は全体で72%に達した。男子学生で約7割、女子学生で約8割と、男女ともに共働き志向は強い。
望まない転勤は、転職の引き金にもなる。
人材サービスのエン・ジャパ…