年間1万9千人――。
認知症の行方不明者の数だ。認知症の人が安心して外出できる社会はどうすれば実現できるのか。
「昨年8月8日早朝、認知症の妻泰子が自宅を出たまま行方不明になりました。10カ月目になりますが、見つかっておりません」
京都市で6月に開かれた「認知症の人と家族の会」の総会。鳥取県支部の荒川勉さん(65)=鳥取県米子市=が、時に声を震わせながら経過を伝えた。
荒川さんが朝起きると、泰子さんの姿はなく、靴とバッグもなかった。一人で買い物に出かけたと思い、スーパー周辺を捜したが見つからなかった。以降、行方はわかっていない。
- 「つらい」語り合う場を 認知症の行方不明者家族 支え合いの会設立
家族の反省点
同じ経験をする家族を減らし…